神にありてもっとも深いものは愛である。
人にありてもっとも深いものは信である。
神は愛をもって人に臨みたまい、人は信をもってこれに応(こた)えまつる。
ここに神と人との真個の和合が行わる。
神の喜び、人の救い、天地の調和、神人の合一とはこのことである。
神は永生(かぎりなきいのち)を人に賜わんと欲したもう。
しかして人は信仰を以てこれを受く。
賜わんと欲するの愛、受けんと欲するの信……宗教といい、永生といい、
解するに難いことではない。
神の愛と人の信、律法(おきて)も、預言も、福音も、神学も、
これをもって尽きているのである。
内村鑑三 「一日一生」 11月19日